環境共生住宅はサスティナブルハウジングへと発展する
〜 長寿命・リデュース・リーユース・リサイクル・省エネ 〜
◎環境共生住宅の認定
環境共生住宅とは、エネルギー消費や二酸化炭素の排出量を減らすなど環境保全に配慮し、また周辺の自然環境との調和を重視した住宅である。環境共生住宅は具体的に次の3つの目標を満たすことが求められている。
1.地球環境問題:「地球環境にやさしい家づくり」 (ロー・インパクト)
2.周辺環境問題:「まわりの環境と親しむ住まい方」(ハイ・コンタクト)
3.住宅問題:「健康で快適な住まい」(ヘルス&アメニティ)
国土交通省では、環境共生住宅市街地モデル事業、環境共生住宅建設推進事業、住宅金融公庫の割増融資を通じて、環境共生住宅を支援している
。
また、(財)建築環境・省エネルギー機構では、環境共生住宅及びソーラー住宅システムの認定を実施している。なかでも環境共生住宅認定制度は、基準を定め、誰もが環境共生住宅のイメージを共有できるようにするとともに、認定することにより普及拡大を目指している。
現在では多くのハウスメーカー、工務店が認定を取得して(http://www.ibec.
or.jp/nintei/kyousei/index.htmlで認定住宅の概要を知ることができる)、一般消費者にアピールしている。
認定の基準は,必須要件と提案類型の2段階で構成されており、このうち必須要件は、環境共生住宅を謳う住宅として最低満足して欲しいレベルの仕様である。
これに対し提案類型では限定的な基準を設けず、自由に発想した環境共生に資する技術や設計の工夫の提案を求めてる。
◎動き出した地方自治体
環境共生住宅は1棟単独で取り組むだけでなく、さらに周辺環境との調和をはかり、地域レベルで居住環境の快適性を向上させようという動きも積極化してきている。
東京都では、「つなごう!増やそう!東京のみどり、環境にやさしいまちづくり」という副題を掲げて「環境形成型地区計画」のガイドラインを策定した。
環境形成型地区計画が定められた地区では、道路から門や塀などをセットバックさせて、その部分に樹木による植裁をする。やがて、家が建て替わるにともない、道路沿いの緑が連続的につながり、住宅地内に緑のネットワークが形成され、緑豊かな住宅地として生まれ変わらせるのが狙いである。
この計画を促進させるために、東京都では地区の容積率や高さ制限などを見直すことにしている。それにより、2世帯・3世帯住宅、3階建て住宅など広い家への建て替えが可能になる。
こうした環境にやさしいまちづくり構想は、東京都に限らず他の自治体でも地域の環境に合わせた取り組みがなされており、全国的な広がりをみせている。
◎サスティナブルハウジング
地域単位での環境共生住宅の取り組みは、地球にも人にもやさしいまちづくりを目指した「サステイナブルハウジング」へと発展していくことになるだろう。
サスティナブルハウジングとは、「持続可能な住宅建設」という意味であり、ハードとして環境にやさしい住宅を造るだけでなく、その周辺も含めた居住環境との関係や、住民のライフスタイルとも深く係わっていこう新しい考え方である。
基本的には、住宅の長寿命化を図り、そのライフサイクルを通して、環境に対する負荷を軽減していこうというものである。サスティナブルハウジングのキーワードは「長寿命」「リデュース(発生抑制・長寿命化)」「リーユース(再利用)」「リサイクル(再資源化・再生利用)」「省エネルギー」である。
まず、住宅をなるべく壊さないで長期間にわたって使用することが最も大切なことで、そのための住宅のあり方、暮らし方を考えなければならない。
次に、住宅を建てる段階で(1)再生可能な自然素材を使う(2)リサイクル可能な材料を使う(3)リサイクルした材料を使う(4)できるだけ少ない材料で建てる。
住宅に住む段階で(1)できるだけ自然エネルギーを利用する(2)化石燃料を使っても省エネルギー技術を組み込んだ機器を利用する。
住宅を壊す段階で(1)使っていた材料をリユースする(2)使っていた材料をリサイクルする(3)ゴミはできるだけ出さない。
――というアプローチが求められている。サスティナブルハウジングへの取り組みは、EU諸国が積極的な動きを見せており、評価基準なども整備されている。 日本もEU諸国から学ぶべきことも多く、最近ではイギリスやオランダで開発されたサスティナブルな住宅団地プロジェクトなどへの視察が増えている。
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