身近なところで芽生えている自然エネルギーの活用
〜 工務店は地域のNPO団体などと連携すべきである 〜
◎自然愛好者が増えている
太陽光発電システムは住宅に設置する機器としては、最も高額な機器といえる。
それだけに、地球環境にやさしい自然エネルギーを活用するといっても、初期投資に対する消却コストも長い。
現在の家庭で使用するエネルギーコストで試算すると、16年から20年位かかってしまう。
それでも、年々太陽光発電システムの普及が拡大しているのは、各種補助金のバックアップ、システムの低価格化に加えて、自然エネルギー愛好者が多いということである。
太陽エネルギーを利用することで、省エネや環境問題に結びつけたいと考える人達だ。
そこで、地域で活躍する工務店は単にシステムを設置した住宅を供給するという視点ではなく、そうした人達と意を共にした活動を展開して行くべきであろう。
太陽エネルギーに関心を持っている人は、風力発電、パッシブソーラー、自然素材、ゴミ問題などにも関心を寄せている。
家づくりのプロとして、工務店がこうした人達と連携することは社会的にも意義あることではないだろうか。
横浜市のNPO法人「ソフトエネルギープロジェクト」は、エネルギーの大量消費型生活を見直し、環境に優しいクリーンエネルギーの利用を進める運動を展開している。
市民にクリーンエネルギーを知ってもらうために、いろいろなイベントを展開しており、なかでもソーラークッキングが人気となっている。手づくりのソーラークッカーでいろいろな料理をつくって食べ、楽しむというものである。
小学校から高校、大学祭、自治体、市民グループから声がかかり好評だという。
このほか、「市民共同発電所」では太陽電池を設置する屋根提供者を募集して“発電所”づくりの運動にも力を入れている。 環境教育の一環ということで幼稚園や小中学校の屋根が中心になっているが、現在2機の発電所が稼働している。
◎自分で電気をつくる
埼玉県小川町のNPO法人「小川町風土活用センター」は、自然から学び、自分たちの暮らしに自然エネルギーを活かそうという活動を行っている。
具体的な活動は自然塗料の渋柿づくり、地場産バイオガスプラント、間伐材利用のガラス温室、炭焼きと木酢づくりなど幅広いが、「太陽電池を自分の手で作って自分で使う!」という実践講座も開催している。
この実践講座では、太陽電池の普及に取り組んでいる市民活動家の指導を受けて、参加者が単結晶シリコンセルとリードリボンのはんだ付けをおこなう。
こうしてモジュールができたらアルミフレームとガラスカバーをつけて完成させる。
活動を通じて、身近な太陽エネルギーから、自分たちでも電気をつくることが可能なことを知ってもらうことが目的だ。
また、こうした経験をすることで、太陽電池のいろいろな使い方の提案も出てくる。
二つのNPO団体の活動を紹介したが、参加者はそれぞれ自然エネルギーに関心を持ち、具体的な活動を通じて何らかの役に立ちたいと思っている人達である。
なかには、こうした活動に刺激され自宅に太陽光発電システムを設置してしまった人もいる。
近年、NPO団体や市民グループによる活動が活発化しており、特に地域環境に対する関心が高まりをみせている。
地域に根付いた営業展開を目指している工務店は、経営者個人の立場または会社としての立場を問わず、チャンスがあればこうした活動に参加すべきであろう。
家づくりのプロとして役立つことはたくさんあるだろうし、自社の存在を知ってもらう機会も多くなる。
また、地域の住民がどのようなことを望んでいるかなど、身近な情報から学ぶべき点も多いと思う。
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