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UPDATE: '04.03.03

リフォーム市場は7兆3100億円
 〜 “リフォーム適齢期”住宅を顕在化すればもっと伸びる 〜

 長期的なスタンスからみれば、新築住宅需要はこの先、世帯数の減少などから右肩下がりの傾向に推移していくのに対して、リフォーム需要は住宅のストック化、居住環境の向上意欲が高まり、右肩上がりで推移すると期待されている。

 しかし、現状のリフォーム工事に対しての苦情も増えておりユーザーの満足度は必ずしも高くない。その原因として、リフォーム産業に新規事業者が相次いで参入、営業優先で仕事を取ってきても、施工体制が追い付いていないことがあげられる。

 健全なリフォーム市場を確立していくために、リフォーム事業者は営業、施工、アフターフォローのトータルな体制づくりが望まれる。そこで、リフォーム市場の規模と苦情の中身をまとめてみた。

◎膨大な数の“リフォーム適齢期”住宅

 2002年のリフォーム市場は5兆6100億円、広義のリフォーム規模で捉えると7兆3100億円である。この数値は(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが推計したものである。広義のリフォームというのは住宅着工統計に計上される増築、改築工事に加えてエアコン、家具などリフォームすることで波及する家庭用耐久消費財、インテリア商品の購入費を含めた金額である。

 1989年(5兆7800億円)から1996年(9兆600億円)まで順調に増加してきたが、1997年(8兆600億円)、1998年(7兆2700億円)と2年連続落ち込み“住宅不況”の影響がリフォーム市場にも及んでいる。
 1998年以降は7兆円台前半のほぼ横ばいで推移しており、住宅不況のなかにあってリフォーム市場は僅かながらでも着実に成長している。今後についてはなだらかな上昇傾向を辿っていくものと考えられる。

 その理由としては、居住世帯数4400万戸のうち約50%の2120万戸(終戦前:165万戸、終戦時〜1960年:260万戸、1961年〜70年:548万戸、1971年〜1980年:1149万戸)が築後20年以上経過している。
 これらの住宅は建て替えるかリフォームすることになるだろう。また、築15年〜10年の“リフォーム適齢期”の住宅ストックも多く、これらが今後のリフォーム市場を支えることになるからだ。

 次に、同じく同センターがまとめた「相談統計年報2003」からリフォームに関する相談内容をみていこう。
 リフォームに関する相談件数は2000年度270件、2001年度650件、2002年度1166件と急増している。そうしたなかで、リフォームに関する2002 年度の不具合事象についての相談は、「雨漏り」が52 件15.7%と最も多く、「剥がれ・外れ」、「ひび割れ」がともに22件6.6%であった。
 「雨漏り」は相談件数全体で11.4%であるのに対してリフォームが15.7%とかなり上回っている。

 2000年度から2002年度までの推移をみても、2000年度13件、2001年度38件、2002年度52件と雨漏りに関する相談件数の増加が著しい。
 不都合部位については、「屋根」23.0%、「床」15.5%、「外壁」13.0%、「内壁」12.4%、「開口部・建具」8.4%と続いており、屋根に関する不都合が非常に高くなっている。
 3年間の推移でも「屋根」に関する相談が急激に増えている。だが、他の不都合部位についても年々増加傾向にある。

◎成長を阻害する悪徳業者の排斥を

 同センターがホームページで公開している「リフォーム悩みごと事例」をみると、具体的な苦情が分かる。その中から「屋根」に関するものを広いあげてみた。

◇相談:一日仕事で屋根の補修費50万円は高い?
  屋根(粘土瓦葺き)の補修を50万円で依頼した。工期は3日となっていたが、実際は1人の職人が1日もかからずに終えてしまった。一体、どのような補修をしたのか、屋根の上なので十分に確認ができないが、費用は高すぎないか ?

◇コメント:屋根の補修費というのは、その補修の内容が多岐にわたり、しかも曖昧なことから費用が大きく開き、消費者が不信を抱く分野の一つである。屋根の傷の具合により補修費は異なり、標準的な40坪(約130u)程度の1戸建住宅(粘土瓦葺き)の場合では20万円〜50万円と開きが出る。
 すぐに契約せず、数社から見積りを取り、工事費、工事内容等を比較検討する。
補修内容について不明な場合は、見積書を提出した業者には注文をつけ、納得した上で契約する。
 ――としている。

 このほかの相談事例をみると訪問販売業者の悪徳ぶりが目立っている。
◇相談:契約してしまったが解約したい
 訪問販売業者が来て、無料で家の診断をすると言って上がりこみ、強引に外壁を金属サイディングに張り替える契約をさせられた。工事費は300万円(外壁面積180u)で、70万円のドアをサービスするというので契約したが、やはり解約したい。

◇クーリング・オフ可能だが、怖くて言い出せない
 外壁サイディングの張り替えを、「特別セール期間なので、今すぐ契約すれば本来400万円だが半額の200万円にする、明日なら当初の400万円になってしまう」と言われた。午前0時を過ぎるまで居座られ仕方なく契約したが、やはり解約したい。だが、営業員が威圧的で怖い。

 こうした相談内容をみると、誰もが恐ろしいと思ってしまうだろう。特に、高齢者は言い寄られて断りきれなくなったというケースは、この事例だけでなくあちこちで耳にする。

 もちろん、こうした悪徳業者に対しては特定商取引法によりクーリング・オフが可能である。しかし、悪徳業者側はそうしたことを承知の上で、脅しに近い営業をしているので強い姿勢で対応しなければ押し切られてしまう。

 悪徳業者の存在が健全なリフォーム市場の成長を阻害することになるが、地域密着で仕事をしているまじめな工務店にとっては信頼を“売る”チャンスである。