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UPDATE: '05.3.21

アレルギー、化学物質過敏症の人たちの建材

自然素材を徹底追及している――小さな建材店<3>

◎土間の作り方

 自然建材店レイン・ファーム(東京都国立市)は、自然建材やそれらを使用した生活スタイルを知ってもらうために、関心のあるユーザーを対象にワークショップと称したイベントを実施している。
 この種のイベントは多くの工務店が、現場見学会などの延長路線として実施するようになってきたが、建材店が取り組んでいるは珍しい。

   

 レイン・ファームが最近実施したものに「土間たたきのワークショップ」がある。一般の住宅から土間が消えて久しく、いまでは文化財として保存されている古民家くらいでしか目にすることがなくなった。
 だが、自然素材や環境共生が話題になるにつれ、土間に関心を示す人も増えているようだ。まず、土間がどのようなものなのかをHさんにレクチャーしてもらった。

 

 「土間は何でできているのでしょうか。昔は近くの土に石灰とにがりを加えて、たたき締めたものでした。三つの材料を合わせたことから「三和」とも呼ばれます。
 地方によって、砂だったり、粘土だったり、その配合も硬さもバラバラです。京都はさくさくとした砂を使う「深草」、尾張は「三州」、埼玉は「荒木田土」と呼ばれるそれぞれの方法が確立されています。

   

 今回のワークショップでは、「荒木田」と呼ばれる粘土に石灰は加えず、にがりを加え水で溶いただけのシンプルな土間づくりを行いました」。

   

 今回使った土は埼玉から運んできたという。土間づくりの工程は@土をふるうAにがりと砂、砂利を土に混ぜるB土間をたたく――と工程そのものはシンプルだ。

   

 「土の塊を鍬や鋤でつぶして、できるだけ細かくします。この土の色がそのまま完成した土間の色になります。 京都などでは白っぽい色の土間になり“地域色”がでます。
 土をふるいにかけて細かくしたら、厚さ10aのたたきを作るため、土のほかに砂と砂利を加えて容量の調整をします。荒木田土バケツ3杯、砂2杯、砂利を適度に加えた割合にして、これに水とにがりの成分であるマグネシウムを2種類混ぜ合わせて練りあげます。

   

 練りあがった土を床面に敷き、土の中に含まれている空気を抜くように上から棒で突いて固めていきます。  空気の隙間が多いと固まった後、表面が沈下して凹凸の床になってしまうからです。
 この作業が済むと、コテで床表面をならします。ここから先はベテランの左官屋さんの出番です。コテに当たる手の感覚で、どのくらい隙間が開いているか分かるそうです。時間をおいて2回ほど表面をならして土間は完成です。

   

 今回はやわらかい土の風合いを残したいということで、カチンカチンにしない配合にしました。にがりを増すとモルタルにも負けない強度の土間になります」。

   

◎自然の摂理に合わす

   

 Hさんの話を聞いていると、実際に自分で体験してみたくなる。ワークショップに参加した人はその思いはさらに強いに違いない。
 ここで、少し客観的に考えると、現在の主力であるモルタル、コンクリートも原材料は自然の産物である。だが、工業化して硬化時間調整、軽量化、均一化させるため減水剤、分散剤、流動化剤など多種にわたる添加剤が加えられ、まさに“化学製品”になっていると、Hさんはいう。

   

 「自然の材料を自然の摂理に合わせて使いこなす“技”を私たちはもう一度自分たちに呼び戻さなくてはならない気がします」。

 

 そのとおりだと思うし、異論を挟む人は少ないだろう。しかし、現実はその逆の方向へと進み、そのスピードが増し、気が付いたら化学物質過敏症になっていた、ということになりかねない。
 そろそろ、そうした時流に流されない生活を目指そうという考えがスローライフであるが、ここに来て賛同者が増えている。