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UPDATE: '05.03.21

建築研究所、古い木造軸組住宅を使って加震実験へ
 〜 耐震補強の意識向上に寄与することができるか 〜

 建築研究所は今年の秋に築年数25〜50年の木造軸組構法の2階建て住宅を用い た加震実験を予定している。この実験は文部科学省の「大都市大震災軽減化特別 プロジェクト」研究の一環として行われるもので、兵庫県三木市にある実大三次 元振動破壊実験施設(E−ディフェンス)が用いられる。

 実験では、実存する木造軸組住宅を振動台に移築して、実際の大地震時にどの ような挙動を示すか、どのように崩壊するか否かを検討するという。また、一方 で同様の木造軸組住宅に対して耐震補強を実施した場合の挙動と比較することに している。

 そのため、いま実験に使用するための古い木造家屋を探しており、公募のかた ちで提供者を募っている。兵庫県近傍で解体除去する予定のある対象物件に心当 たりがある人は防災科学技術研究所・兵庫耐震工学研究センター(電話:0794-8 5-8942、E-mail:tanjo@bosai.go.jp)に問い合わせてみてはどうだろう。対象物 件が見つかりしだい解体し、再び振動台の上に復元することになる。

 実験では類似した木造軸組住宅2棟を振動台の上に乗せて、一方は移築したま まの状態で、もう一方は耐震補強した状態で、加震することになっているようだ。 2棟並べて実験するので、耐震補強による効果などが同時進行でみられる点が興 味深い。

 関東大震災級の地震が再来したら、震度7の揺れで東京都内の建物の1割、約 15万棟が倒壊すると予想されている。それだけに、1都3県の既存建物の耐震対 策が急務の状況になっている。が、その進捗状況はそれほど進んでいない。
 多くの自治体は耐震診断制度を設け補助金などを交付しているが、診断条件や 手続きが煩雑などから思うように活用されていない。また、一部のリフォーム業 者が無料耐震診断などと称した強引な営業姿勢が批判されてもいる。

 いずれにしても、地震への関心が高まっているなか、既存住宅の耐震補強が遅 れているのは、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協 http://www.mok utaikyo.com/)の調査からも分かる。
 木耐協が過去6年間に耐震診断した家屋、約7万件を分析した結果、約半数 (49.83%)が「倒壊又は大破壊の危険あり」であった。

 さらに、「既存不適格住宅」にまで枠を広げると約4分の3(74.15%)にも のぼり、耐震性に不安がある住宅が多いことがわかる。
 「耐震改良工事をお考えですか?」の問いに対して「はい」が43.95%。この 回答者が耐震改良工事にかける予算は「50〜100万円未満」40.94%、「50万 円未満」26.22%、「100〜200万円未満」14.13%と続いている。

 こうした数値をみると、耐震改修が遅れていることもさることながら、それが 故に今後大きな市場に発展する可能性があるように思える。
 建築研究所が予定している実験は、耐震診断、耐震補強に関するデータを取得 するだけでなく、一般の人の耐震意識を向上させる意味でも注目される。