いま輸入住宅はどのような状況になっているのか
〜 欧米の設計思想だけでない、幅広いニーズの獲得を 〜
◎輸入住宅は価格競争力を発揮でき ているのだろうか
輸入住宅というジャンルがあるが、その位置付けがいま曖昧になっている気が する。それは住宅着工統計の工法別の数値としてカウントされないため、実態が 把握しづらいことがあげられる。
ご承知のとおり、かつて輸入住宅ブームがあった。日本経済がバブルに沸いて いた頃、諸外国との貿易不均衡を是正するために住宅部材・建材の輸入促進が図 られたことがブームの背景にあった。
また輸入住宅は、
1.日本の住宅価格はアメリカ、カナダの2倍にもなっている
2.日本の住宅建設の生産性が低い
3.資材の流通経路が複雑で流通経費が高すぎる
――という問題を提起した。
これらの問題はバブル崩壊後、これといった解決を見ることもなく冷めていっ たのである。が、住宅の質向上と個性化、多様化指向が進展していくなかで、北 米やヨーロッパのライフスタイルが象徴される外観デザイン、インテリアは消費 者から支持され今日に至っている。
いまでは、北米、ヨーロッパの設計思想を導入した住宅を輸入住宅と定義して もいいくらいだ。現に、北米スタイル、ヨーロッパスタイルに大別して語られる ことが多い。
「こだわり客の中に輸入住宅に固執する人がかなりいます。こうした人たちは
あこがれの外国に何度も旅行に出かけたり、住んだ経験があるなど、思い入れの
住まい方に対する明確なイメージを持っています。
その思い入れを我がマイホームに投影させたいと願っているわけです。それだ
けに、単に輸入住宅を手掛けていますというレベルでは営業になりません。細か
いディテールにまで気を配り、商品知識も豊富でなければ対応できません」と、
輸入住宅に特化した展開をしている工務店はいう。
だが、一方で輸入部材の商品説明に苦労するという工務店もいる。
「標準仕様として次のような輸入部材を用意しています。▼外壁=エルドラー
ドブリック(カリフォルニアドリフト)、▼窓=マービン社製木製アルミクラッ
ドペアガラス、▼窓廻り=ファイポン社製、▼玄関ドア=シンプソン社製木製、
▼敷石=オーストラリア製レンガブロック、▼フローリング=チーク無垢15ミリ、
その他キッチン、洗面、家具、カーテンなどすべて輸入です。
どれも高品質で国産のものにない魅力があります。しかし、これらの商品の性
能をユーザーに理解してもらうのに苦労しています。まず、カタログやサンプル
では無理です。そこで、これらの輸入部材は在庫して、ファクトリーショールー
ムとして、ユーザーがみて、さわって納得のいく部材を選択できるようにしまし
た。
コストもかかるし在庫品が捌けなければリスクにもなりますが、飛躍的に契約
率があがりました」という。
輸入住宅の構造躯体には、一般的にツーバイフォー工法、木質パネル工法、ポ
スト&ビーム工法が採用される。だがユーザーに影響力を与えるのは、何といっ
ても外観デザインと構成する輸入部材や建材である。
このへんの対応を輸入住宅を手掛ける工務店はどうしているのか、また仕入れ
ルートをどのように確保しているのか、いろいろなケースがあるに違いない。
さらに気になるのは、輸入部材の価格である。「アメリカのホームマートに行
って驚くのは、どうしてこんなに安いのかということです。国産品で揃えるのに
比べると、ほとんどの部材が半額、ものによっては3分の1です」。
視察旅行に出かけ、こうした体験をした工務店は多く、いまでは誰もが知って
いることである。こうした部材を多用している輸入住宅は価格競争力を発揮でき
ているのだろうか。
大手の輸入住宅企業は「当社のケースでみても、この10年間住宅価格はほとん ど変わっていませんが、使われている部品の品質、グレードは数段良くなってい ます。これは、流通経費、在庫コストを的確に管理・把握できるようになったこ とが大きいと思います。そのことにより、当社の輸入住宅は品質を向上させて、 なおかつ価格を抑えた、コストパフォーマンス高い住宅になっています」という。
つまり、良質で安価な輸入部材を使うメリットをユーザーに還元できている点 を強調する。また同様な指摘をする工務店も少なくない。ならば、今以上に品質 と価格に関するメリットを情報として発信すべきだろう。欧米の設計思想に憧れ るユーザーだけでなく、もっと幅広いニーズに応えられると思うからだ。
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