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UPDATE: '05.09.17
■輸入住宅特集<2>

30年前から輸入住宅を供給し続ける老舗工務店
 〜やり方しだいで輸入部材の価格競争力はまだまだ高い〜

◎良質で安価な輸入部材を使った分譲にチャレンジ

 東京多摩地区で活躍しているA建設は、ツーバイフォー工法がオープン化され た30年前から“輸入住宅”を手掛けてきた老舗工務店である。もちろんその当時、 いまでいうところの輸入住宅というジャンルはなかった。

 「その当時のツーバイフォー住宅はデザイン的には和洋折衷でした。当社では 北米のデザイン集を参考にして、日本の実情にアレンジした住宅を供給していま した。ですから、カタチ的には早くから輸入住宅を手掛けていたと自負している わけです。

 そのころすでに、輸入サッシのアンダーセンの製品を採用していましたし、小 屋裏を活かした間取りを提案していました。各種輸入部品は国内にあっては独自 のルートを開拓していましたし、アメリカのディストリビューターからも直輸入 して今日にいたっています」。

 「私が2×4輸入住宅を始めた頃は、お客様も同業者もほとんど興味を示さな い頃でした。数年前の輸入住宅ブームでは、輸入促進を国で行ったせいか、また は円高であったせいかたくさんの新規事業者が輸入住宅と宣伝しては、“輸入資 材を使っただけの住宅”を建築している例がたくさんありました。

 昔から手掛けてきた私にとっては残念でなりません。私としてはこれからも快 適性、耐久性、デザイン性のある“本格的輸入住宅”を建て続け、日本の住まい の文化レベルを向上させたいと願っています」。

 これは、同社のホームページに掲載されているA社長のメッセージである。こ こでも指摘されているが、バブルの頃に輸入住宅ブームが起こり、住宅業界以外 からも多くの業者が新規参入した。

 いまから振り返ると、住宅業界以外の商社をはじめとした輸入業務にたずさわ っていた企業、不動産業者、野心的なベンチャー系企業などが高付加価値の“お いしいビジネス”と目して参入するケースが多かった。
 そのほとんどがバブル崩壊とともに消えていった。その理由は明白で、過当競 争ということもあるが、施工力を既存の工務店業界に依存し、そのノウハウもま ったく持っていなかったからである。

 A建設のように、昔からまじめに輸入住宅と取り組んできた企業にとっては、 ブームが去った現状の方が仕事がしやすいのではないだろうか。
 ライフスタイルが個性化、多様化するなかで、北米、ヨーロッパの設計思想を 導入した住まいを求めるユーザーは一定程度必ず存在する。さらに、ユーザーの こだわりと要望のレベルは高くなっており、じっくりと時間をかけて具体化して いく時代に入っているからだ。

 また、建設コストの問題も重要である。「やり方しだいで輸入部材の価格競争 力はまだまだ高く、品質とコストを追求していく」必要があるという。現在、そ れを証明しようという意欲的なプロジェクトを進めている。

 「分譲向けの立地条件の良い土地が3区画入手できたので、第1次取得者向け の分譲住宅を手掛けることにしました。
 すぐ近くに分譲専門のパワービルダーが10区画ほど開発を進めているのですが、 ほぼ同等の価格で、当社がやればここまでできるという徹底的に差別化を図った 輸入住宅を分譲するつもりです。

 土地が39坪、2階建て延べ床面積32坪という規模です。外観デザインは最近人 気のあるプロヴァンス風スタイルを採用し、屋根材も少し凝ったものにすること にしました。

 一番の特徴はインナーガレージを設置することです。狭小敷地の住宅でもイン ナーガレージが欲しいという要望が大きいと思います。ツーバイフォー工法の特 徴であるオープンプランで工夫すれば十分可能であることを示してみたいです。  その他、無垢のフローリングや輸入キッチンの採用などで差別化を図ります。 本物の部材を使っていれば誰がみても納得できます」。

 パワービルダーに対向して徹底した差別化を図るというだけに、意欲に燃えた チャレンジである。輸入部材を使った良質で安価な分譲住宅が登場すれば、これ までの第1次取得者向け建売住宅のイメージも変わることだろう。

 北米やヨーロッパで生産される輸入部材は、ほとんど国内で調達できるように なって、輸入住宅を手掛けるビルダー、工務店は、直輸入をやめてしまったとこ ろも多い。だが、それは中間マージンをカットすることによって生み出される価 格競争力を失うということにもつながる。A建設の地道な努力に期待したい。